O MINI−Fireworks mini-S( ミニ ファーヤーワークス ミニS) の製作 2010.8.4


10年ほど前にクラフトるうむ製のHL−1EXevoでハンドランチグライダーに開眼した私です。
考えても下さい、ニュートンの時代以前から投げた物はその最高到達点を過ぎると後は落ちてくるだけでした。
しかし私はハンドランチグライダーという物によってその常識を破ることを体験したのです。
大げさな言い方ですが自分が投げ上げた物が動力も持たないのに上空へ上がっていくのを見たら ”はまります”、キッパリ。

偉そうなことを言いましたが私はHL−1EXevoの他はまともな機体はSAL機としてバイナリーぐらいしか経験がありません。
しかし最近もっと良く飛ぶ機体が欲しいとネット上を調べていたところ、ミニファイヤーワークスという機体に興味を持ちました。
一般的なフルサイズのSAL機は3〜5万円前後しますがミニファイヤーワークスは2万円台と値段が第一のポイント。
そしてファイヤーワークスという機体は進化しながら現在5世代目が発売されていて高性能は折り紙付です。
さらに調べるとリンケージさんがブログで製作記事を書いておられました、キットの完成度も高いようです。
ミニファイヤーワークスにはラダー仕様のSとエルロン仕様のQがあります。
サーマルソアリングだけを考えると初心者にはラダー仕様のSが向いているようなのでこれに決めました。

リンケージさんに電話して色々話していたら、B級品で主翼が規格外で安く販売出来るのがあるとのこと。
スパーの辺りに浮きがあってB級品になったそうだが飛びに問題は無いそうで値段を聞くとずいぶん安くて正規品の値段でサーボと受信機まで買えました。

製作に当たってはリンケージさんの記事とメーカーのPCM社の説明書を参考にしました。
ファイヤーワークスのキットには全て同じCD−Rが入っていて全機種の製作の説明が付いていますが英語とドイツ語です。


ちなみにファイヤーワークスとは花火のこと、早く作ってでっかい花火を打ち上げたいものです。

キット全部です。フルサイズのキットでは主翼が1500mmぐらいあるので運送の都合で左右分割のキットが多いですが、ミニは950mmなので一体です。一番厄介な主翼を繋ぐ作業が無いのは楽です。主翼62.18g、胴体3点21.37g、サーボボード7.83g、尾翼2点8.05g。小物としてカーボンロービング1.33g、ガラスクロス1.08g。
他に注文したのはPCM社推薦サーボのダイヤモンドD47(4.7g)が2個と受信機はブルーアローのR3P5(6.1g)です。
その他パーツは、主翼固定ビス2本1.4g、0.3mmピアノ線2本0.13g、ホーン2個0.24g、ワイヤー0.81g、水平尾翼取り付け台0.15g

作られる方はパーツの重さを参考にしてもらうと組み立ての作戦が考えれます。
主翼両端にはカーボン製のウイングレットが付いています。これは投げるための指掛けになる物ですが着陸の時は翼端スキッドになって主翼の傷付を防いでくれます。荒削りの状態なのでしっかりサンドペーパーで角を丸めておないと投げる時の衝撃で血がにじむことになるかもしれません。
接合済みの主翼の裏側はカーボンの補強がして有り胴体とのなじみも良くなっています。取り付けビスの穴も開けてありますが、私のキットで唯一つだけのマイナス点は後ろ側のビス穴が少し後ろ過ぎで0.5mmほどやすりで前側に広げました。ミニSについては主翼は基本的に完成しています。
主翼固定用のナットも取り付け済みです。キャノピー部は万年筆のように被せるようになります。
ここからが製作の開始です、接着剤は全て瞬間接着剤の低粘度(以下瞬低)を使用しました。
中部胴体にブームを差し込みます。ブームは少し平らになった方が下です。
ブームが中部胴体から530mm出るようにします。もし足らなければ胴体をサンディングして広げてください。私の機体は修正無しでピッタリでした。
ブームの最前部は中部胴体の底面に着くようにします。主翼を取り付けてブームとの距離を測ります。左右同じならブームと中部胴体の隙間に少量の瞬低を流し仮固定します。もう一度アライメントを確認したらしっかり接着します。
瞬低を流したでけでは強度に不安があるので付属のカーボンロービングを1〜1.5cmに15cm分程切ります。これをピンセットで摘み中部胴体とブームの隙間底部に詰め込んで瞬低を流し固めます。ここで注意することはサーボボードの切り欠き部分が入らなくなりますのでブームの上半分にはロービングが着かないようにします。
PCM社の説明にある尾翼の図面を印刷します。青い部分を切り取り線を引きます。次に緑部分を切り取り線を引きます。最後に赤い部分を残して切り取り線を引きます。
両面とも書きますとこのようになります。
5*10cm厚さ3cmほどの発泡スチロールやスタイロホームを2個用意します。図面の10度、30度にあわせて斜めにカットします。荒削りに120#仕上げに240#のサンドペーパーを貼り付けて使います。青い部分を30度の部分で削ります。緑の部分を10度の部分で削ります。そして赤の部分を後縁に向かってクサビ状になるように削ります。よく考えられた方法だと感心しましたが見事に翼型が出来ました。ノーズヘビーなのが分かっていますので出来るだけ尾翼の軽量化に気を使いましょう。
動翼部分を切り離しラダーエレベーターの前縁を45度に仕上げます。ここで気をつけることは水平尾翼は下面が平ら、右投げの人は垂直尾翼は左側が平らになるようにして前縁を加工します。ブームが当たる垂直部分にカーボンロービングを平たく伸ばして瞬低で貼り付けます。PCM社の説明では下部にもロービングを張るように書いてありましたのでやってみました。普通に着陸すると垂直下部はかなり磨り減るのでハンドキャッチに自信のない人は重さより丈夫さを選ぶ方がいいと思います。
ブーム後方を垂直尾翼が入るように2cmほど切り込みます。やすりで削りましたがブームは非常に薄のでわりと簡単に削れます。主翼を着けて垂直になるように現物合わせで少しずつ削ります。
瞬低で仮付け後アライメントを確認して本付けします。さらに付属のガラスクロスを4cm角ぐらいに切って瞬低で貼り付け補強します。この辺りも製作者のフライトレベルも考慮して補強方法を考えてください。
ブームにサンドペーパーを巻き付けて水平尾翼取り付け台の面をRに加工します。取り付け台と水平尾翼を接着します。ミニファイヤーワークスはブームの下に水平尾翼が付きます。方眼を利用してブームとの角度また主翼との角度を睨みながら仮付けします。もう一度充分に確認したら本接着します。さらにガラスクロスを3.5*9cmほどに切って水平尾翼から取り付け台とブームまで一連で貼り付けます。この後にフイルムを貼ります。軽量化の穴を開けたり軽いフイルムを選ぶとよいと思います。私は手持ちのイージーカバーフィルムを使いました。ラダーホーンは右投げの人は右側に付けます。投げた時に左ラダーが入るのを引っ張りで持たせるためです。カッターで切れ目を入れて瞬低で接着します。その後ヒンジテープで動翼を取り付けますがピッタリと付き合せずに0.3〜0.5mmほど隙間を開けますと動きが良くなります。ヒンジテープはセロファンテープでも充分と聞きました、平らなほうの片面にだけ貼ります。
トーションスプリングを作ります。15−25−15mmでペンチで曲げます。
トーションスプリングの取り付けですが動翼の中間地点でホーンをまたぐ位置が良いでしょう。位置を決めたら翼面からはみ出さないように少しずつ押し込むと簡単に差し込めます。動きに問題が無ければ瞬低を滲み込ませておきます。
付属のサーボボードは重いのとバッテリーにRC2を使う関係で先端部の切抜き部分がほとんど無くなるのでで3mmバルサで前半部分を1〜1.5mmほど広くし作り直しました。さらに付属のロービングを半分にほどいて上下面両サイドに貼り補強しました。
上面から見てメカ配置はこのようにしました。納まりを確認したらサーボボードと胴体を瞬低で接着します。さらに高粘度の瞬間と効果促進剤で補強しました。(カーボンロービングを使いきったためです)
横から見るとこうなります。リンケージは引く方向だけでサーボボードの下面を通ります。
ホーンとサーボが最短で繋がる位置にピンバイスで1.5mm程度の穴を開けます。その後手持ちで一番細い丸やすりが2mmでしたが、これで斜めに穴を広げました。エレベーターとラダーの2個の穴を開けます。
今回付属品以外に使ったのは、リンケージ用のPEラインです。魚釣り用の伸びない糸で手持ちの6号を使いました。1mmのピアノ線を後部から通しておいて瞬低で仮付けして引き込みました。
輪っかを作り瞬低で結び目を固定してホーンに引っ掛けるだけ。サーボ側は1mmの熱収縮チューブに通してからホーンを通してもう一度チューブに通します。ニュートラルを出してチューブを収縮させます。糸の伸びなどを少し見越してトリムを逆方向に少し振っておくと良いと思います。納得がいったところで瞬低で固定します。
以上で完成ですが問題は重心位置です。標準は前縁から62mm後ろです。その位置にトーションスプリリングの余りを使って上反角に合わせて真中を曲げてテープで貼り付けます、糸を通してから外側もテープで貼り付けます。糸を持ち上げて前後が釣り合っていればいいのですがやはり後ろ重です。結局17gの重りを積んで160gで完成です。予想より重たい、かなりブルーです。
さて主翼と尾翼の取り付け角ですがグライダーでは重要なことなようです。PCM社の説明では普通に作ればぴたりと決まるらしいです。正しい計り方は主翼の前後縁が水平の時(常盤からの高さが同じ時)水平尾翼の前縁が後縁より2mm下がっていれば良いです。
期待と不安を持って定規を当てて見ますとぴたりと2mm違いでした。メーカーのつくりのよさをほめてあげましょう。自分が上手いとは言いません。
バイナリーとミニファイヤーワークスを並べてみました。大きさの違いが良く分かります。
横から見るとテール部分が長くて後ろ重になるのは納得できます。


フライトインプレ


今回購入したブルーアローの受信機ですがアンテナ線が短いからか距離テストをすると全くダメで手持ちのBERG4chに換えてアンテナを垂直尾翼に向かって張りました。
梅雨の最中の雨の日を2日ほどかけて完成させました。
出来上がると早く飛ばしたい物です、雨上がりの夕方近くのグランドに出かました。
じめじめしたほぼ無風の状態です。
まずはグライドテストから、軽く押し出すと真っ直ぐに綺麗に滑空します。ノートリムでOKです。
気を良くして強めに投げ出すと30mほど滑空しました、これはなかなかの距離ではないでしょうか?
ここでバイナリーを普通に投げて見ます、こんなもんかと感覚を掴みます。
次にミニSを回転をつけずに軽く投げてみました、なんとバイナリーと同じぐらいまで上がります。
沈下率が少なく良く走ります。スピードが有るので時間的にはバイナリーと同じぐらいのフライト時間でしょうか。
今度は回転をつけてSAL投げです。バイナリーより2〜3割は高く上がりますこれには驚きました。
サーマルは無く30〜50秒ぐらいのフライトです。
それでもスーとよく走るので投げるのが楽しいです。
無風状態なら私程度の腕でも3,4割でハンドキャッチが出来ました。

初飛行が7月の初めごろで1ヶ月少しで2時間半ほど飛ばしました。
毎回夕方でサーマルは出にくいかもしれません。
残念ながら今の所最高のフライトはありません。
見事にサーマルをキャッチしたと言う報告を載せたかったのですが現実は厳しいです。
秋冬のグライダーシーズンには良い報告が出来ると思いますのでここまでの経過をUPしました。